【英日対訳】ミュージシャン達の言葉what's in their mind

ミュージシャン達の言葉、書いたものを英日対訳で読んでゆきます。

「To a Young Jazz Musician」を読む  第7回

第7回:4.ジャズを演奏する 2003年7月18日 

 

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親愛なるアンソニー 

元気にしているかい?この間の手紙から、君が何かを掴んでくれたと聞いて、嬉しく思う。こういうものは、ただ読んで頭の中にしまい込んではいけない。活かし方を考えること。 

(語句と文法:数字は行数) 

4.figure out how to apply itそれを当てはめる方法を考え出しなさい:疑問詞+不定詞(how to) 

 

今はコンサートツアーが続いている。とにかく、一つの町から、そして次の町へ。行けと言われた所へ、ひたすら移動の日々だ。だから、手紙と手紙の間が空くことは許してほしい。心がけて書くからね。 

(語句と文法:数字は行数) 

5.I just head where they tell me私は単に彼らが私に指示する所へ向かうだけだ:関係詞(where they)  

 

さて昨夜は、ボストンのあるホテルの中にある、小さくて客席との距離が近い、クラブでの演奏だった。文句なしの、とにかく気分のいい、小ぢんまりとした本番だったよ。狭い場所でね。お客さんがすぐ周りにいて、雑踏の中、グルーブ感で一つになっていた。こういう時はバンドはひたすらノッてくる。聴いてくれている人達も、バンドのサウンドに、全てを洗い流させようとする。特にドラムのハーリンがタンバリンで5/4のリズムを、神がかった演奏で聴かせた時は、最高だった。 

(語句と文法:数字は行数) 

9.The people all around you, making all kind of noise and grooving色々な雑音を立ててグルーブしている君の周りの全ての人々:分詞構文(making and grooving) 10.Folks in the audience let the sound wash all over them, especially when our drummer, Herlin, gets sanctified on the tambourine in 5/4客席の人々は音に自分達を完全に洗い流させていた。特に私達のドラム奏者のハーリンがタンバリンで五拍子で神がかった状態になった時は尚更だった:使役動詞(let the sound) 

 

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本番終了後、僕達にフルコースの食事が運ばれた。ささげ(豆)料理、トウモロコシパン、リブ肉のバーベキュー、マッシュポテト、そして図々しくも、コーンプディングまで少し頂いてしまった。やはり演奏が上手でマナーを心得ている人は、ご馳走にありつけるんだねぇ。冗談はさておき、こういったことは仮にどんなに頻繁に起きようとも、そして実際沢山起きていて、その時僕達がそこで感じる、人の愛や懐の深さといったものには、いつも頭が下がる思いだ。家族と離れてさみしい気分も、これで我慢できるようになる。でもね、人間嫌いだと、ここでは孤独感を感じるだろうな。 

(語句と文法:数字は行数) 

5.even had the nerve to have some corn pudding図々しくもコーンプディングを少し食べるほどだった:不定詞(nerve to have) 7.no matter how often something like that happens, and it happens a lot, the love and generosity of spirit that we feel out here is always humbling如何に沢山こういったことが起きたとしても、そして実際沢山起きているが、私達がここ外出先で感じる人の心の愛と寛容さはいつも有り難い:no matter +疑問詞(no matter how) 関係詞(that we) 9.And it makes missing your family a bit more tolerableそしてそれは君の家族がいなくて寂しい状態をほんの少し耐えられる状態にする:make+O+C/動名詞(make missing your family tolerable)  

 

音楽の演奏について、君と語り合いたいと思っていた処だ。シンプルで本質的なこと。ジャズを演奏する上で必要なことだよ。4つの土台が必須だ。音楽面での「語彙力」をつけること。サウンドにカリスマ性(人を強く惹きつける魅力)を持たせること。君だけの目標を定めること。そしてスウィングをモノにすること。それじゃあ少しの間、4つとも切れ味鋭く見てゆこう。 

(語句と文法:数字は行数) 

13.what it takes to play jazz musicジャズを演奏する為に何を要するか:関係詞(what) 仮主語(it takes) 不定詞(to play) 16.Let's spend some time chopping all four up4つ全部スパッと切ることに時間をかけよう:分詞構文(chopping) 

 

第一に、音楽面での語彙力が増えれば、演奏できることも増える。人との会話と同じ。人間は20の単語をキッチリ頭に入れれば、人とのコミュニケーションは何とかなる。でもこれだけでは、全く話題にできないことも山のように出てくる。ジャズのあらゆる場面に出てくる語彙を片っ端から身に付けよう。メロディ、ハーモニー、リズム、そして君だけの「ネタ」もね。まず必須の知識から取り掛かるのが常套。君の故郷のこと、それからアメリカ全体のこと、の順にだ。つまりこういうこと。君がカンザスシティー出身なら、まずはカンザスシティーブルースの演奏がどんなものかを身に付けること。その次にアメリカ全体の音楽を全て押さえる。そして今の時代は更に、世界中の音楽についても知っておく必要がある。世界中の各地に存在する音楽の形式には、それぞれ特有の取り組むべき課題がある。それらを習うことは、君にとって非常に役に立つことになる。結果、それまで君の持っていた音楽の語彙力に幅広いレパートリーが加わってくる。ラテン音楽の専門家は、ジャズミュージシャン達のラテン音楽に関する知識の無さについて、よく不満を言う。君は、世界中何の音楽でもいいから、これは良い、と思ったものについて、研究し身に付けること。それは、その音楽のことを知っていて、演奏もできる人達と一緒に行うこと。自分自身の音楽の幅を広げることは、君にとって限りなく貴重なことだ。音楽の語彙力を研究することは、言葉の語源を研究するようなものだ。ロマンス系言語(フランス語、イタリア語、スペイン語等)に興味があるなら、研究するのはラテン語。そこから全て派生しているからね。同じ考え方で、グルーブ感を要する音楽、つまり、キューバ音楽のリズムである「クレイブ」とか、ミシシッピブルースのシャッフルリズムなんかは、アフリカ音楽の6/8拍子のリズムから派生しているから、それを研究するといい。でも「君の故郷のこと」が疎かなうちは、その先へは進まないこと。 

(語句と文法:数字は行数) 

18.the more vocabulary you know, the more you can playより多くの語彙を君が知ればより多く君は演奏できる:the比較級the比較級(the more the more) 20.But there's gonna be a whole pile of things that he or she never talks aboutしかしその人が決して語ることが出来ない山のようなことが発生することになる:関係詞(that he or she) 23.It's always best to start with what you should know君が知るべきことから始めるのが常に最高だ:仮主語(It's ) 不定詞(to start) 関係詞(what you) [p.43]1.you need to know what the Kansas City blues sounds like君はカンザスシティーブルースがどんな音がするのかを知る必要がある:不定詞(to know) 関係詞(what the) 5.Learning those objectives will serve you well, allowing you to incorporate a greater breadth of material into your own vocabularyこれらの目標物を学ぶことは君によく役に立つだろうしそして君に君自身の語彙力により多くの素材を組み込むことをさせてくれる:動名詞(Learning) 分詞構文(allowing) 8.Study and learn whatever music catches your fancy from around the world with people who know it and can play it君の好奇心を掻き立てる音楽を何でもいいから、それを知っていてそして演奏できる人と一緒に勉強し身に付けろ:関係詞+ever(whatever music) 関係詞(with people who know) 12.If they're interested in romance languages, people will study Latin, from which all those languages descendもし彼らがロマンス系言語に興味があるなら、人々はラテン語という、それらの言語が派生したものを勉強するだろう:前置詞+関係詞・非制限用法(Latin, from which)  

 

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第二に、サウンドに人を惹きつける魅力を、常に持たせること。人は魅力のある音楽を聞きたいのであって、ロボットが鳴らす警笛を聴きに来ているのではない。ワクワクしたい、驚きを感じたい、「勉強になった!」と思いたい、そういうものだ。人を惹きつけるサウンド。音楽の演奏をお客さんに聴いてもらうことは、他のどんな舞台芸術、ステージパフォーマンスとも、大して変わらない。ちょっと想像してごらん。俳優さんがトコトコっとステージに走り出て、セリフは言うけれど無表情なやり方。その俳優の持ち味なんか、一つも出そうとしない。見ていて面白いと思うかい?自分の持ち味を明確にした音楽のアプローチの仕方をモノにしたら、何を言いたいのかを音に込めること。どんなものであっても、それをお客さんに伝えるには、技術力、耐久力、そして説得力が必要だ。あと楽しさもね。何せ音「楽」演奏だからね。 

(語句と文法:数字は行数) 

20.They don't come out to see robots toot horns彼らはロボットたちがラッパをプープーと鳴らすのを聞きに来ているのではない:不定詞/知覚動詞+O+原型不定詞(to see robots toot) 22.What you do when playing for the public isn't much different from any stage-based performance君が聴衆に演奏する時にすることはいかなる舞台表現とも大した違いはない:関係詞(What you) 部分否定(isn't much) 24.Imagine the actor who trots out onstage only to deliver lines in bland fashion with no regard to distinguishing his or her craft俳優がその人の腕前を特色付けることを無視してステージにトコトコと歩き出てきて無表情なやり方で口にするところを想像してみろ:関係詞(who) 不定詞(to deliver) 動名詞(to distinguishing) [p.44]4.Whatever your approach turns out to be, deliver with force, power, and conviction君のやり方がどんなものになるとしても、技術力と耐久力と説得力で伝えろ:関係詞+ever(Whatever) force(状態や状況を変化させる力)power(内在する力) 

 

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でも本番舞台上で目一杯吹きまくっているときは、ジャズの演奏は人生の他のあらゆることに似ている、ということを頭に入れておくこと。取り掛かる時のテンションは、折り返しまで来た時より高いのが普通だ。かけっこでは、ジェシーオーウェンスの生まれ変わりになったつもりでスタートダッシュに気合が入るだろう。アメリカンフットボールなら、ジョー・モンタナかな。それで2・3回とパスをカットされるうちに、テンションもさがる。これって、世の中のあらゆる行為にも当てはまるだろう。だから、演奏する時は、それまでの頑張りで、頭に血が上ったり、逆に燃え尽きたりしないこと。ソツなく始めて、ソツなく演奏し、、ソツなく終えること。それ以上難しいことは考えないように。僕が言う「ソツなく演奏し」とは、それで仕事がとってこれる位のれべるで、ということだからね。なぜなら、ソツなく演奏すれば、雇ってもらえるだろうし、声もかけてもらえるだろうからさ。 

(語句と文法:数字は行数) 

6.But while you're up on that bandstand blowing with force and power, keep in mind that playing jazz is like anything else in lifeしかし君が技術力を耐久力をもって舞台本番中楽器を吹いている時はジャズを演奏するということは人生における他の事と似ているということを頭に置いておくこと:分詞構文(blowing) 動名詞(playing) 10.That enthusiasm might make you think you're Joe Montanaその情熱は君に自分はジョー・モンタナだと思わせるかもしれない:仮定法(might) 使役動詞+O+原型不定詞(make you think) 13.So when you play, don't get carried away or burned out by the importance of your own effortだから演奏する時は君自身の努力の重要性を意識しすぎて正気を失って興奮したり燃え尽きたりしてはいけない:過去分詞(get carried or burned)  

 

勿論、ソツなく演奏するということは、仕事の事ばかりではない。それが核心に迫ってくるものと言えば、「君だけの目標」これは4つの土台の3番目だったね。目標は人それぞれによって異なるけれど、誰にとっても中心となるポイントがある。「聴き手に何を伝えたいか」だ。まぁ聞いてほしい。昔僕はスウィーツ・エジソンにこんな質問をした。「いつも一発目の音から上手なんて、どうしてなんですか?」 

「坊や、演奏の仕方なんて、たった一つさ。」スウィーツは答えた。「一つしかないんだよ」 

スウィーツが言おうとしたことは、常に100%の気持ちで自分の演奏スタイルを音にしてゆくこと、バンド自体が下手だろうと上手だろうと、小学生が相手だろうと、誕生日のホームパーティーだろうと、食事に招待された時だろうと、楽器をケースから出したなら、「今こそ人生の正念場」とばかりに吹くべきだ。「正念場」でないなら、「正念場」にしてでも、ということだ。 

(語句と文法:数字は行数) 

21.Although objectives vary, depending on the individual, there exists a central, common point: What do you want to give to people?個人によって目的は変化するかもしれないが中心にある共通のポイントがある。君は何を人々に伝えたいか、だ:分詞構文(depending on) 23.Let me lay this on youこれを君に提示させてくれ:使役動詞+O+原型不定詞(Let me lay) 25.Why is it that you always sound good, from the first note that you play?あなたが演奏する最初の音符からいつもあなたが上手に聞かせるのはなぜか?:仮主語(is it that) 関係詞(that you) [p.45]2.There ain't but one way to do itそれをする方法は一つしかない:not but(ain't but) 不定詞(to do) 7.When you pull your horn out, you should play as if that's the most important moment in your life.君が楽器を取り出したら君はそれが人生で最も重要な瞬間であるかのように演奏するべきだ:仮定法・反実仮想(as if) 8.If it's not, make it beもしそれが違うならそれをそのようにしろ:使役動詞(make it be) 

 

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憶えているだろうか、君が小さかった頃、本当の本当に何かが欲しいと思った気持ち。それは今から思えば、本当の本当にしょうもなものを欲しがったかもしれないけれど。そしてそれを欲しいと周りに訴えたその言い方を。その時の熱い心と切なる望みをもって、演奏しようと思ってごらん。まるでそれが人生最大の希望と言わんばかりにね。年を重ねてゆくと、希望や欲求を冷静に抑える方法を身に付けてしまう。子供の頃の熱い心と、伸び伸びとした表現を取り戻すんだ。演奏する上で、それは必ず持っていないといけない。自分が一番欲しかったものと、それを手に入れるためなら、プライドも気品も一つ残らずかなぐり捨てでも、というやり方。覚えているだろうか、それをどれほど強く欲しがったか。それが手に入らなかった時、どれだけ泣き叫んだか。君のことを耐えかねた女の子は?アモスが現れるまでずっと君を好きだった女の子は?そういう情熱をもって演奏することだ。 

(語句と文法:数字は行数) 

11.It could have been the most trivial thingそれは最もしょうもないものだった可能性がある:仮定法過去完了(could have been) 12.Remember the way you begged and pleaded for it?君がそれを乞いお願いした方法を憶えているか?:関係詞・省略(the way [that] you begged) 12.Imagine playing with that passion, that desire, as if this was the most needed thing in your lifeまるでこれが君の人生で最も必要なことであるかのようにその情熱とその希望をもって演奏することを想像しろ:動名詞(playing) 仮定法・反実仮想(as if)  

 

気付いてほしい。ジャズの基本を様々身に付ければ、君の個性を伸ばし、あの頃の情熱を見出す上で、役に立つ、ということを。「本気でブルースなんか演奏する気はない」とか 

「スウィング奏法なんか、きちんと表現できるようになる気はない」などと言わないこと。自分に背を向けるな。ツケが廻ってくるぞ。最近のラテンバンドとジャズバンドを聴き比べて、大抵ラテンバンドのほうが良い演奏をしていると、気付いたことはないか?それが定石になっていることを、不思議に思うだろう?実際のステージを見れば分かる。ラテンミュージシャン達は、自分の力を注ぎ込み、熱意を持っていることが伝わってくる。自分達のグルーブ感が完璧だと、自信がみなぎっている。それに比べてジャズバンドはどうだ。スウィングを身に付けようと、きちんと向き合うこともせず、何やらファンクまがいのグルーブやら、ひどい時には下手なラテンジャズまがいのグルーブやらに甘んじようとする。実際彼らの愚痴を耳にすることもある「スウィングなんて、もうやらないって。他のことに取り組んでいこうよ。」自分達の未熟さに背を向けて、安易な方向へ走ってゆこうと、逃げているんだ。ジャズを演奏する上で、4番目、そして多分最も重要なこと。スウィング、スウィングすることだ。 

(語句と文法:数字は行数) 

23.Realize that the fundamental of jazz help you develop your individuality, help you find that passionジャズの基本は君が君の個性を伸ばしたりあの情熱を見つけるのを助けるということに気づけ:help+O+原型不定詞(help you develop) [p.46]1.Have you ever notice that when you hear a contemporary Latin band play and juxtapose it with a jazz band, the Latin music almost always sounds better?最近のラテンバンドが演奏しそれをジャズバンドと比較するとラテン音楽の方が常に上手に聞こえることに気づいたことはあるか?:現在完了(Have you ever notice) 知覚動詞+O+原型不定詞(hear play) 9.You can practically hear them muttering to themselves “Swing is dead; let's try something else.”君は実際彼らが独り言をつぶやいているのを耳する可能性がある「スウィングは死んでいる。他のことをしよう」:知覚動詞+O+現在分詞(hear them muttering) 

 

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「典型的なアメリカの」物事、という言い方を耳にしたことがあるだろう。物事が「典型的だ」ということは、その物事が、「典型的」だと思われる価値を反映している、ということだ。芸術の形式で言うなら、良さがわかるだけでなく、それが具体的で、品位があって、堂々たるものであることが必要だ。だからこそ、人は思い入れをもって、芸術の形式を学ぶんだ。芸術に携わる者は、自分の国の精神といったものを発揮してゆくからね。スウィングのことで言うならこうだ。スウィングは一人の人間が発明したものではない。民主主義(アメリカの根幹)は、一人の人間ではなく、複数の人間がすることだ。だからスウィングは、複数の人間が互いを尊重し合う民主的で、民主的だけに典型的なアメリカの概念、ということになる。 

(語句と文法:数字は行数) 

15.what makes a thing quintessential is that it reflects the value of the thing it is supposed to be quintessentially about物事を典型的にするものは、それがあるものについて典型的だと思われることの価値をそこに反映している、ということだ:関係詞(what) make+O+C(makes a thing quintessential)  

 

スウィングは時間の制約を受ける究極の調和、というやつだ。スウィングは、マニフェストで出来た民主主義。君は絶えず臨機応変に対応してゆくことになる。どんな時もその間中は、音楽面の出来事については、自分の好きなようにするとはいかない。物事が目まぐるしく変化しても、冷静さ、落ち着きを保つ方法を身に付ける必要がある。これが、君がスウィングをする上でするべきことなんだ。なぜかって?時間に対する概念が、ミュージシャン一人一人で違っているからさ。僕は時々生徒たちにこんなことをやらせている。「一分間経った、と思ったところで立ち上がってごらん。」とね、すると20秒で立ち上がる子もいれば、1分半位過ぎて立ち上がる子もいる。時間に対する概念の違いが現れているよね。君も演奏家として、この問題にどう取り組んて行くか、自分なりに考えていかないとね。 

(語句と文法:数字は行数) 

25.Swing is democracy made manifest; it makes you constantly adjustスウィングはマニフェストで出来た民主主義で、それは君を常に適応させる:過去分詞(made) 使役動詞(makes you adjust) [p.47]2.You have to know how to maintain your equilibrium and your balance, even if things are changing rapidly例え物事が目まぐるしく変化していても君は君の心の平静と落ち着きを保つ方法を知らないといけない:疑問詞+不定詞(how to) 

 

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しかしスウィングにも上下関係がある。それは国の政治の仕組みに似ている。大統領はドラム奏者。一番大きな音がする楽器を担当する。そしてシンバルはアンサンブルの中で一番音域が高い。アフリカ音楽ではベルリズムと呼ばれるものだ。上下関係では上の方のリズム。皆が聞こえるからね。ジャズではシンバルがベルリズムを担当する。他の奏者はこれに従うことになる。 

 

しかし、政治の仕組みと同じく、スウィングにも抑制・均衡のチェック機能がある。ドラム奏者のテンポが走ったら、ベース奏者がブレーキをかける。時には「大統領」の役を、楽器に関係なくテンポが一番安定しているプレーヤーが担うことがある。チャーリー・パーカーが演奏するとテンポの安定が素晴らしいので、ベルリズムの方が彼に合わせたものだった。だからアンソニー、君もそうなる可能性がある、ということだ。これまた民主主義ならではのこと。大統領の力量がなければ、力のある議会や裁判所が必要だ。抑制・均衡のチェック機能というやつだね。 

(語句と文法:数字は行数) 

19.Sometimes the president of the swing is whoever has the best time時にはスウィングの大統領は一番まともなテンポ感を持つ者なら誰もが務めることになる:関係詞+ever(whoever) 20.When Charlie Parker played, his time was so good that the bell rhythm would follow himチャーリー・パーカーが演奏する時彼のテンポはとても良かったのでベルリズムが彼に従うのだった:so~that S+V(so good that the bell) 過去の習慣(would) 

 

 

次回、第8回は、Playing Jazz(ジャズを演奏する) 2003年7月18日の、後半部分を見てゆきます。